2010.09.13

台風が過ぎ去ったあとの川は、
さまざまな死を流していって
さまざまな死が流されていくので、
行ったこともないガンジスをおもう。
原爆ドームの前を流れる川のあたりで、
とてつもなく下手くそな引き語りの声が響きわたって、
調子はずれなうえにその声の正体がわからないものだから
立ち止まるしかないわけなのだけれど、
なんてことはなくて、高校生の男の子が橋の下の影の中で
一人黙々とギターと声をかき鳴らしていた。
あまりにもひどいものだから、もはやセミが鳴いているのと同じくらい
川の流れているんだか流れていないんだかわからない流れに溶け込んでいて、
原爆ドームと夕陽と彼の声は神々しかった。
"River River"という作品を友人と撮り始めたのだけれど、
気づいたらお互いの名前に川があって、
明日彼と散歩したら、どうせまた川に行き着いてしまうに違いない。
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