つまりわたしが蚊に刺される理由ってのはそんなことなんですか?

2010.07.15

film8005

新しいわたしの部屋の窓からは、
家自体が四方八方を囲まれているせいで、
まったく手が届きそうにない空しか広がっていないのです。
ですから、いわゆる"実感"というやつを、
真っ昼間の浅い青空だとか、ピンクにふちどられた夕焼け空だとか、
深い紺色に雲が流れる夜空だとか、空気をふるわせて白みだした朝空だとか
に求めていたわたしとしましては、
まったく府抜けたのも容易に想像がつきましょう。

なのでまずは近所のイトーヨーカドーの屋上に上ってみることにしました。
だいたいスーパーやデパート、駅ビルの屋上というのは、
あるところには子供のための遊具が置いてあったり、
あるところには軽食が食べられるような出店がでていたりしますが、
たいていの場合はベンチだけが無造作に置かれているような、
ひじょうになんでもない場所なのです。
それは柵で囲まれていることを除けば、ただの解放された空間なのです。
屋上は隙間なんだね。

しかし、近所のイトーヨーカドーときたら、
屋上がテニスコート兼フットサルコートだったのです。
コンクリートうちっぱなしの足下から熱を感じる屋上ではなくて、
合成樹脂に砂がまかれた地面で、足にやたら砂がからみついてくるし、
ベンチには、ラケットを振りまわす子供に顔をむけている母親たちがサングラスをして、
なによりも緑のネットで空が覆われているのです。
もはやわたしのサンダル短パンで手ぶらという出で立ちは、
ラケットにテニスシューズの少年たち、ユニフォームにスパイクの社会人たち
のなかで異物たりえてしまうのです。
ここは屋上じゃないね。

屋上をさがしにこんどはアトレにいってみましょう。